最近、AIを使っていて感じることがあります。
ChatGPT、Gemini、Claudeなど、生成AIそのものの性能は、この数年で驚くほど上がりました。
新しいモデルが出るたびに、
「どのAIが一番賢いのか」 「どのサービスを使えばいいのか」
という話題になります。
もちろん性能差はあります。
でも、実際に仕事でAIを使っていると、それ以上に大きな差があることに気づきました。
それは、
何か困ったときに「まずAIに聞く」という習慣があるかどうか。
という差です。
Gmailの容量が残り2%になった
知人からこんな相談がありました。
「Gmailの空き容量が2%です。添付ファイルが多いのですが、まずどうしたらいいでしょうか」
そこで、
has:attachment larger:10M
とGmailの検索窓に入れれば、大きな添付ファイルが付いたメールから探せますよ、と伝えました。
しばらくして、
「ありがとうございます。やってみます」
と返信がありました。
難しい問題ではありません。
そして、ふと思いました。
これこそ、まずAIに聞けばいい話ではないか。
「Gmailの容量が残り2%になりました。添付ファイルが多いです。何からやればいいですか?」
これだけでいい。
おそらくAIは、大容量メールの検索方法やゴミ箱の削除、Google DriveやGoogleフォトを含めた容量確認まで順番に教えてくれるでしょう。
AIを使っていても「まず人に聞く」は残っている
面白いのは、この知人も普段からAIを使っていることです。
AIの将来について話すこともあります。
それでも、身近な問題が起きると、
「詳しい人に聞こう」
となる。
これは決して珍しいことではないと思います。
会社にChatGPTを導入しても、
「Excelのこれ、どうするんでしたっけ?」
「このメール、どう返したらいいですか?」
「このエラー、何でしょう?」
と、いつもの詳しい人に聞く。
AIが使えないのではありません。
AIに聞くという選択肢が、まだ最初に出てこないのです。
私自身も変わった
振り返ってみると、私自身も以前はそうでした。
システムを作りたければ開発会社を探す。
分からないことがあれば専門家を探す。
見積もりを取って、高ければ諦める。
実際、数年前にビジネスマッチングのシステムを検討したときには、既存フレームワークのカスタマイズでも500万円からと言われました。
欲しくても手が出ませんでした。
ところが今は違います。
「これ、作れるかな?」
まずAIに聞く。
Codexと相談しながら小さなMVPを作ってみる。
動いたら試す。
ダメなら直す。
必要になればAPIをつなぐ。
いつの間にか、仕事の始め方そのものが変わっていました。
AI導入より、AI習慣
企業のAI活用というと、
「どのAIを導入するか」 「どんなAIエージェントを導入するか」 「社員にどんな研修を受けさせるか」
という話になりがちです。
もちろん、それも必要でしょう。
でも、その前にもっと小さなことがあるように思います。
困った。
分からない。
面倒くさい。
時間がかかりそう。
その瞬間に、
「これ、まずAIに聞いてみよう」
と思えるかどうか。
AIが答えを出せなければ、そのとき人に聞けばいい。
AIの答えが怪しければ、専門家に確認すればいい。
最初からAIにすべてを任せる必要はありません。
ただ、最初の相談相手にAIを加える。
それだけでも、仕事の進め方はかなり変わります。
AIの性能競争を眺めるより
新しいAIが登場するたびに、性能比較が話題になります。
でも、中小企業の現場で本当に大きな差を生むのは、0.1ポイントの性能差ではないのかもしれません。
AI活用の差は、AIの性能差より「まずAIに聞く」が習慣になっているかどうか。
最近は、そんなことを考えています。
そしてこの習慣が身につくと、AIは「たまに使う便利なサービス」ではなくなります。
仕事を始めるとき、自然に隣にいる相棒になります。

