南船場の家賃を支払った。
来月からは、これまで支払っていた別の固定費がなくなり、事務所関係の支払いもかなりシンプルになる。
売上だけを見れば減っている。
普通に考えれば、不安になってもおかしくない状況である。それなのに、なぜか肩の荷が降りたような感覚があった。
この感覚は少し不思議だった。
会社を経営していると、どうしても「増やすこと」に意識が向く。
売上を増やす。仕事を増やす。サービスを増やす。取引先を増やす。
もちろん、それは必要なことである。
しかし、増やせば増やすほど、維持しなければならないものも増えていく。
事務所もそうだし、サービスもそうだ。
この日は移動中に、新しいサービスについても考えていた。
ある会社が議事録作成サービスを導入したことをきっかけに、「自分たちが同じ議事録作成をやっても仕方がない」と考えた。
そこで思いついたのが、会議を1回ずつ記録するのではなく、複数回の会議をつなげる仕組みである。
人やAIが作った議事録を取り込み、同じテーマで蓄積する。
前回何を話したのか。
何が決まり、何がまだ終わっていないのか。
次回は何を確認すべきなのか。
それを会議のたびに整理していけば、単なる議事録とは違う価値が出てくるのではないか。
午後には、別の案件で配車管理のホワイトボード版を改修した。
最初は今日から14日間を表示する考えだったが、使い方を考えて月単位で表示する形に変更した。さらに、どの月でも確認できるようにスケジュールの見せ方も変えた。
最初から完成形が見えていたわけではない。
作りながら、「こっちのほうが使いやすい」と思えば変えていく。
最近の仕事は、この進め方がかなり増えている。
会社そのものも同じなのかもしれない。
一度作った形を、そのまま維持する必要はない。
必要なものは残し、役割を終えたものは減らす。
そして空いた余力を、これから必要になる仕事へ回していく。
売上が減っているのに肩の荷が降りたと感じたのは、単純に支払いが減ったからだけではないのかもしれない。
会社を少し軽くできたことに、自分自身がほっとしたのだと思う。
大きくすることだけが経営ではない。
身軽にして、次に動きやすくすることも経営である。
今はそんな時期に入っているのかもしれない。

