この日は、ミーティングトレースの打ち合わせが一番印象に残った。
これまで私は、仕組みを説明してから「こんなことができます」と話す流れでプレゼンを組み立てていた。しかし打ち合わせの中で、「まず困りごとと結果を見せて、そのあとで仕組みを説明した方が伝わる」という意見をいただいた。
言われてみると、その通りである。
作る側は仕組みを説明したくなる。しかし、お客様が知りたいのは技術ではなく、「自分の困りごとが解決するのか」という一点である。
結果を先に見せる。
そのあとで、「なぜそれが実現できるのか」を説明する。
プレゼンだけでなく、サービスづくり全体にも通じる考え方だと感じた。
もう一つ印象的だったのが、「どうしてこんなに開発スピードが速くなったんですか」と聞かれたことだった。
私はこう答えた。
「APIを無料枠だけで使おうという発想をやめてからです。」
少し前までの私は、とにかく無料でできる方法を探していた。
もちろんコストを抑えることは大切である。
しかし、無料で使い続けるために何時間も遠回りするくらいなら、必要なところには費用をかけて前へ進んだ方が結果的には早い。
実際、その考え方に切り替えてから、開発スピードは明らかに変わった。
サービスの完成も早くなり、お客様へ見せられるものも増えてきた。
これはAI開発だけの話ではない。
時間を節約するための投資は、未来の時間を買うことでもある。
夜は、以前運用していたサイトの復旧作業にも取り組んだ。
バックアップは残っていたものの、有料版のツールが必要で、結局70ドルが必要になることが分かった。
ここでも「無料なら何とかなる」という考えだけでは解決できない現実があった。
もちろん、何でもお金を使えばいいという話ではない。
しかし、時間を止めてしまう節約と、前へ進むための投資は違う。
最近は、その違いを以前よりも意識できるようになってきた。
AIを活用したサービスづくりでも、経営でも、「何にお金を使い、何に時間を使うか」という判断はますます重要になる。
この日の出来事は、その考え方を改めて整理する一日になった。

