サービスを考えていると、新しいことを増やそうとしがちである。
しかし、この日は改めて「現場はすでに入力している」という当たり前のことを見直した。
メールを書いている人もいる。 音声入力を使う人もいる。 録音して文字起こしをする人もいる。 LINEで報告する人もいる。
現場には、すでにさまざまな入口が存在している。
それなら、新しい入力方法を覚えてもらうよりも、今ある入口をそのまま活かした方がいい。
そこで整理した言葉が、
「入口はゆるく、出口はきれいにする」
という考え方だった。
報連相革命は録音アプリではない。
メールでもいい。 音声入力でもいい。 文字起こしでもいい。 LINEの内容を貼り付けてもいい。
入力方法は自由である。
その代わり、最後はAIが整理し、一覧化された報告書として残す。
現場に負担を増やさず、管理する側が必要な形へ整える。
その役割をAIが担えばいい。
さらに考えたのは、システム構成ももっとシンプルで十分ではないかということだった。
一覧はGoogleスプレッドシート。
詳細はGoogleドキュメント。
入口はメール。
AIは整理役。
まずはこの最小構成で十分価値を届けられるのではないかという結論に至った。
機能を増やすより、まず使ってもらう。
最近は、この考え方が以前より強くなってきた。
夜には、その延長線上で議事録についても整理していた。
録音や文字起こしをするサービスはすでに優秀なものが数多くある。
だから競争する場所はそこではない。
本当に現場で困るのは、会議が終わったあとである。
誰が担当するのか。
期限はいつなのか。
前回から何が変わったのか。
案件は進んでいるのか。
そうした情報は、一回の議事録だけでは追えない。
だから議事録を案件ごとの履歴として積み重ね、あとから検索できる業務データベースへ育てていく。
ここに価値があると感じた。
一日の終わりには、「会議トレース」という名前も少しずつ形になってきた。
AIの進歩によって、録音や要約は誰でも使える時代になった。
だからこそ、その先にある「業務として活用できる状態」まで設計することが、これからのサービスには必要なのだと思う。
AIは現場そのものを変える存在ではない。
現場にすでにある情報を整理し、次の行動につながる形へ整える存在。
そんなサービスを、これからも作っていきたい。

