2025年10月5日時点のnotebookLMの仕様を前提に書いています。
最近、プレゼン資料の制作で「NotebookLM」というAIツールを使う機会が増えています。
これはGoogleが提供している新しいツールで、原稿を渡すと、プレゼンの構成を自動でまとめ、ナレーション付きの動画まで一発で作ってくれるという、まさに魔法のようなツールです。
実際、初稿の仕上がりは本当に素晴らしいです。
ナレーションも抑揚があり、聞き取りやすい。構成も的確で、ざっくりとした原稿からでも、かなり見栄えのいいプレゼン動画を作ってくれます。
……ですが、ここが現場でのポイントです。
「修正が入る」と、一気に話が変わってきます。
名前や単語の「言い間違い」を直せない
NotebookLMのナレーションは、AIの音声合成(TTS)で一括で生成されます。
つまり、一文だけをピンポイントで録り直すことができません。
たとえば、
- 社名の読みを間違えていた
- 人名のイントネーションが違う
- 特定の用語が変な読み方になっている
といった場合、その部分だけを直すということはできず、テキストを修正した上で、ナレーション全体を再生成する必要があります。
ただ、NotebookLMのTTSでは細かい読み方の調整ができないため、もし、どうしても変更したいという場合には、 ElevenLabs などの有料音声ツールを使って該当箇所を別録音し、動画編集ソフトで差し替えるという工程になります。
これが、意外と地味に時間とコストがかかる部分です。
「フォントを変えたい」「改行したい」も実はひと仕事
NotebookLMのスライドは、パワーポイントのように直接文字を編集する方式ではありません。
テキストをもとに 画像を生成して、それをスライドとして組み込んでいる ので、ちょっとしたレイアウト変更も手軽にはいきません。
たとえば、
- フォントサイズを大きくしたい
- 文字の位置を調整したい
- 改行やレイアウトを少し変えたい
といった場合も、画像作成 →動画編集ソフトで 画像を差し替えという流れになります。
つまり、パワーポイントで「ちょっと動かす」感覚では済まないのです。
「修正なし」と「修正あり」では工数が大きく変わる
NotebookLMは「初稿を素早く作る」のには本当に優れています。
しかし、「修正あり」の前提になると、音声の差し替えや画像の差し替え、動画再編集などが必要になるため、従来の動画編集と同じくらいの工数がかかってきます。
| 項目 | 修正なし | 修正あり |
|---|---|---|
| ナレーション | 自動生成 | ElevenLabsなどで録音・差し替え |
| スライド | 自動配置 | 画像差し替え+レイアウト調整 |
| 編集工数 | 最小限 | 動画編集・再調整が必要 |
| コスト | 抑えられる | 追加作業で増える |
まとめ:NotebookLMは「初稿に強い」、修正には人の手が必要
NotebookLMは、AIで構成・ナレーション・スライドを一気に作ってくれる非常に優秀なツールです。
ただし、それは 「初稿を早く出す」ことに向いている のであって、細かい修正や仕上げの工程では、どうしても従来と同じような人手と工数が必要になります。
そのため、制作費を考えるときも、
「AIだから安くできる」ではなく、
「修正の有無によってコストが大きく変わる」 という点を理解しておくことが大切です。
NotebookLMの技術的な仕様や再現性の詳細については、以下の補足ページをご覧ください。▼

Suno AIも「部分変更」は基本的に難しい。でも一部なら“許容範囲内”で可能
Suno AIでも、「このフレーズだけ少し直したい」「一文字だけ変えたい」という依頼はよくあります。
基本的には、歌詞を変更するとその箇所にアレンジや変調が加わるため、完全に同じ曲として再現することはできません。
ただし、Sunoには「元曲をベースに一部の歌詞を差し替える」機能があり、これを使うと元曲の大部分は維持しつつ、変更箇所だけが少し変化する形で再生成することができます。
この機能は、「歌詞を大きく書き換える」ためというよりも、特定のフレーズだけを微調整する用途が前提になっているようです。
そのため、少しの変化は許容するという前提であれば、同じ曲のバリエーションとして成立させることは可能です。
一方で、歌詞全体を変更する場合はまったく別の曲として生成されるため、元曲を再現することはできません。
ここは利用していない人は勘違いしやすいポイントなので、事前に共有しておくと安心です。
動画と音楽という違いはありますが、修正対応の工数が膨らむ点は同じです。
SUNO AIの修正対応については、こちらの記事も併せてご覧ください。


