小説を書こう!突然思いたった58の夜
58歳になって、突然「小説を書こう」と思い立った。
きっかけは些細なことだった。昨日、ずっと書いていた小説もどきが一応完成して、読み返してみると「なかなかようできてるやん」と思えた。調子に乗って、次は何を書こうかと考えていたら、頭の中でプロットがどんどん膨らんでいく。
気がつくと、1年後の完成目標まで立てていた。
58歳で小説って、遅すぎる?
世間的には「今さら小説?」と思われるかもしれない。
でも、考えてみると悪くない条件が揃っている:
- 時間的余裕:定年後の自由な時間
- 人生経験:58年分のネタの蓄積
- 経済的安定:生活のためじゃなく、純粋に書ける
- プレッシャーなし:失敗しても誰も困らない
むしろ、今だからこそ書けるものがあるんじゃないか。
なぜ今、小説なのか
10ヶ月前からブログを11サイト運営している。毎日更新していると、文章を書くことへの抵抗がなくなった。それどころか、書かないと気持ち悪いくらいになっている。
そんな中で気づいたのは、ブログとは違う「物語を書きたい」という欲求だった。
事実を伝えるのではなく、感情を動かしたい。 情報を提供するのではなく、体験を共有したい。
「ラストサムライ戦略」で行く
会社で「ラストサムライ戦略」という概念を作った。斜陽産業で競合が撤退していく中、最後まで戦い抜いて市場を独占する戦略だ。
小説業界も、ある意味斜陽産業かもしれない。出版不況、活字離れ、AI時代で「人間が書く意味ある?」と言われる時代。
でも、だからこそチャンスなんじゃないか。
多くの人が諦める中、最後まで戦い抜く。「鉄道警察小説」という超ニッチな領域で、確実に一番になる。市場は小さくても、シェア100%なら十分だ。
1年計画を立ててみた
突然思い立った割に、計画は具体的だ:
リサーチ期間(3ヶ月)
- 2019年ラグビーワールドカップの資料収集
- 鉄道警察の組織・権限・実務の調査
- 東欧情勢(架空国カルパティア設定のため)
読書期間(継続)
- 警察小説の文体研究
- スポーツ小説の構成分析
- 国際政治ものの描写技法
執筆訓練(継続)
- 短編をブログにアップ
- 読者反応で文章力向上
- AIとのキャッチボールで客観性確保
執筆期間(6ヶ月)
- 400字詰め500枚の長編
- 毎日少しずつでも継続
- ブログ6サイト更新してからでないと執筆禁止ルール
継続の仕組みを作った
過去の成功体験から学んだ「継続は10%の努力と90%の仕組み」を応用する。
物理的制約:
- 執筆場所の固定
- 執筆時間の確保
- 誘惑の排除
心理的制約:
- 読者への責任感
- ブログでの公言による後退不可能化
- 1年後の達成イメージの明確化
代替行動:
- 行き詰まったらブログ執筆
- 渇望理論で小説への欲求を蓄積
- 複数プロジェクト並行でマンネリ防止
環境制御:
- 朝の集中時間確保
- 週末の集中執筆時間
- 取材旅行でインプット・アウトプット並走
58歳の挑戦
若い頃なら「才能がないかも」「時間がもったいない」と躊躇したかもしれない。
でも58歳の今は、結果よりもプロセスが楽しみだ。書くこと自体が目的で、完成すれば御の字。売れなくても誰も困らない。
この気楽さが、逆に良いものを書かせてくれるかもしれない。
アイデアの冷凍保存
今回の小説アイデアも、実は音声録音で「冷凍保存」してある。興奮状態での発想を、感情ごと保存した。
明日の朝、冷静になって「大したことないアイデアだな」と思うかもしれない。でも録音を聞き返せば、その時の熱量が蘇る。資料を読み返せば、また新しい興奮が生まれる。
感情の波をコントロールする技術を身につけた。
最後に
58歳で小説を書き始める。
遅いスタートかもしれないが、人生100年時代なら、まだ42年もある。
仮に10年かけて完成度の高い作品を書けるようになったとしても、68歳。そこから30年間、良い作品を書き続けられる計算だ。
悪くない。むしろ、今から始めるのがベストタイミングかもしれない。
58歳の夜、新しい挑戦が始まった。

