NotebookLMで資料を「マイ・オーディブル」化する実務テクニック
仕事で回ってくる膨大なPDF資料。正直、「あとで読む」の山になっていないだろうか。
会議資料、提案書、調査レポート、政策資料。どれも重要だが、腰を据えて読む時間を確保するのは簡単ではない。
GoogleのNotebookLMに搭載された音声解説(ソースに対してAIポッドキャストを生成)を使えば、こうした無機質なドキュメントを、まるで自分専用の「資料オーディブル」のように、移動中や作業の合間に耳からインプットできるようになる。
ただし、単に資料を放り込むだけでは「聞き流して終わり」になりがちだ。NotebookLMを本当の意味で「仕事に効く相棒」にするには、少しだけ使い方の設計が必要になる。ここでは、実務で使える運用のコツを整理してみる。
1. 質の高いアウトプットは「情報の断捨離」から始まる
「資料オーディブル」として質を高めるために、まず重要なのは事前の絞り込みだ。全ページを一気に読み込ませるのではなく、目的に合わせて「今必要な部分」だけを選ぶ。
例えば、候補者の政策資料を読み解く場合。全ページの公約集を丸ごと入れるのではなく、「子育て支援」「経済政策」など、自分が重視するセクションだけを抜き出してアップロードする。クライアントのサービス資料を分析するときなら、技術仕様書だけでなく、競合比較表や導入事例のPDFも一緒に入れてみる。すると、AIホストが「このサービスの強みは、他社と比べるとここだよね」という視点で、より立体的に議論してくれるようになる。
入力が雑だと、出力も雑になる。まずは「何を理解したいのか」を決めて、資料を整理するところから始めるのがコツだ。
2. 「Customize」で自分専用の番組をプロデュースする
音声解説を生成する前に、必ず使いたいのが「Customize」機能だ。ここでトーンや想定リスナーを指定することで、解説の難易度や雰囲気を大きくコントロールできる。
「専門知識がない人向け」に設定すれば、業界用語や専門用語をできるだけ噛み砕いた言葉で説明してくれる。一方、クライアントの提案資料などに対して「Critique(批判的検討)」モードを指定すると、「この論理構成には無理があるのでは」「この前提は弱いかもしれない」といった具合に、AI同士が議論する形で弱点を浮き彫りにしてくれる。
要するに、NotebookLMは「要約マシン」ではなく、「どういう視点で読むか」を指示できるツールだということだ。この一手間で、音声の中身はかなり変わる。
【実践ガイド】資料を「自分専用オーディブル」にする3ステップ
使い方の流れは、シンプルに3つだ。
まず、左側のソース一覧から「今、聴きたい」資料だけにチェックを入れてアップロードする。複数資料を組み合わせて比較させるのも有効だ。
音声解説ボタンのペンマークをクリックするとカスタマイズ画面に移る。
このエピソードで AI ホストが焦点を当てるべきことに、リスナーの属性(初心者向け、専門家向けなど)や議論のトーンを具体的に指示する。
移動中にまず音声で全体像をつかみ、気になったポイントだけを夜にテキストで読み直す。そんな使い方をするだけでも、資料との向き合い方はかなり変わるはずだ。
まとめ:NotebookLMは「読まなくてよくなるツール」ではない
誤解しがちだが、これは「PDFを一切読まなくて済む魔法の道具」ではない。NotebookLMの本質は、静的で平坦な資料を、生きた解説や議論に変換するところにある。
音声で全体像をつかみ、気になった箇所を改めてテキストで精読する。この往復運動があるからこそ、理解は深まる。

