求人倍率が 1.22倍。
しかも 2年連続で減少しているらしい。

ニュースとしては
「人手不足も、少し落ち着いてきたb」
そんな読み方になる数字やと思う。
でも、正直なところ、この数字を見たときに少し引っかかった。
というのも、自分の周りを見渡すと、人が欲しくて仕方ない企業がやたら多いからだ。
飲食店、コンビニ、知り合いの零細企業なんかもまさにそう。
求人は出している。
でも人は来ない。
来ても、なかなか続かない。
この 1.22 という数字、実態とどれくらい重なっているだろうか。
4人の社長で飲みに行ったときの話を思い出した
そこで、ふと思い出した話がある。
以前、社長4人で飲みに行ったことがあった。
そのとき出た年商の話が、こんな感じ。
- 年商80億の社長
- 年商5億の社長
- 年商2億の社長
- そして、年商3000万の私
誰かが冗談半分で言った。
「これ、4人の平均年商って 20億円 やな」
その場は笑いに包まれたけど、改めて考えると、この「平均10億」という言葉から思い浮かべる姿と、実際の4人の姿は、かなり違う。
数字としては間違っていない。
でも、そこから浮かぶイメージは、ちょっと違う気がした。
花巻東高校の話も、同じ匂いがした
似たような話を、別のところでも聞いたことがある。
日本の高校の中で、卒業生の平均年収がトップクラスになるのが花巻東高校だという話。
理由を聞いて、なるほどと思った。
- 大谷翔平
- 菊池雄星
この2人がいる。
もちろん花巻東は素晴らしい高校やと思う。
でも、卒業生全員が同じような年収を得ているわけではない。
ここでも、
- 数字は合っている
- でも、その数字から想像する姿は
少し単純化されすぎている
そんな印象を持った。
求人倍率1.22も、少し似ている気がする
求人倍率は、
求人数 ÷ 求職者数
という、とてもシンプルな指標だ。
ただ、この数字には、
- どんな仕事か
- 本当にやりたい仕事か
- 条件が合っているか
そういう 選択の話 が含まれていない。
たとえば、
鉄工所で働きたい人が100人いて、
事務職の求人が122件あったとしても、
数字上は 1.22 になる。
でも現場では、
- 鉄工所は人が集まらない
- 事務職は競争が激しい
そんなことが起きる。
数字としては余っている。
体感としては足りていない。
このズレは、平均で語った瞬間に話がズレるような気がする理由なのかもしれない。
平均という言葉が、勝手に描くイメージ
平均という値そのものが悪いわけではないと思っている。
「平均」と聞いた瞬間に、頭の中でそれっぽい映像を作ってしまう。
ただ、
- 平均年商20億 → みんな20億くらい
- 平均身長180cm → 全員そこそこデカい
- 求人倍率1.22 → 仕事はそこそこ選べそう
でも実際には、
- 分布が歪んでいたり
- 外れ値が混じっていたり
- ボリュームゾーンが別の場所にあったり
そんなことの方が多い。
解像度を上げると、見え方が変わる
平均寿命の話も、これと似ている。
昔の人の平均寿命が短いのは、大人がみんな早死にしていたからではない。
乳幼児期を越えられなかった人が多かった
それだけで、平均は大きく下がる。
医療が発達すると、
- みんなが少しずつ長生き
というよりも、 - 生き延びられる人が増える
その結果、平均寿命が一気に伸びる。
解像度を上げて見ると、支援の仕方も変わってくる。
求人倍率も同じで、
「仕事が足りない」
ではなく、
「どんな仕事に、人が集まっていないのか」
そこを見る必要があるのかもしれない。
数字は持っておく。でも、眺め直してみる
求人倍率1.22という数字は、嘘ではないと思う。
ただ、それは均した結果の数字であって、現場の姿をそのまま写しているわけではない。
4人の社長の話も、
花巻東高校の話も、
求人倍率の話も、
個々でしか判断できないものを、平均で語った瞬間に、少し話がズレるような気がする。
だからこそ、
数字が描くイメージは、そのまま信じるより、違う角度から眺めてみてもいいのかも。
知らんけど。

